生地の地糸が切れてしまう | スカートの裏地のように薄い生地なのに、段差対応や急R対応のため上下送り倍釜ミシンで縫う必要がたまにあります。金属メッシュ生地や防爆用シルク生地を使う場合、またステンレス糸には特にこの傾向があります。 オルガン・KK針(針のシャンクが特に細く、貫通後に生地の負担が少ない) オルガン・NS針(針先端が特に長く、貫通時の生地抵抗を抑える) |
目飛びしてしまう | 私たちがまずミシン調整をします。その上で以下の針が効果が望めますが、生地と糸の組み合わせで判断するしかありません。 タイミングではなく、溶けたものや破砕された微細なパウダー状のものが穴に入り込んで不調になっている場合があるからです。 オルガン・SK針(えぐりが特に大きい、少しクランク状) シュメッツ・SERV7(サーブ7。えぐりが特に大きい目飛び対策針) オルガン・LPまたはHP(フッ素加工の表面で糸の抵抗を減らしループを作りやすく) グロッツ・SAN5-V2(穴形状と、穴の下が正逆効果ある形状) グロッツ・SAN6(穴形状とエグリ形状が違う) グロッツ・MR針(えぐりが大きくクランク状に激しくへこんでいる) |
糸が引きつれ、シワが出る | 地糸切れではないか先に確認しましょう。生地のタテヨコでも変わります。 オルガン・KK針(針のシャンクが特に細く、貫通後に生地の負担が少ない) オルガン・LE針(穴が2番手大きいので、針を細いものを利用できる) オルガン・NS針(針先端が特に長く、貫通時の生地抵抗を抑える) |
糸切れしやすい | これは釜の種類や針板、貫通位相も影響してきますが、針だけで対処するなら… グロッツ・SAN5-V2(穴形状と、穴の下が正逆効果ある形状) グロッツ・SAN6(穴形状とエグリ形状が違う) オルガン・LPまたはHP(フッ素加工の表面で糸の抵抗を減らす) グロッツ・MR針(えぐりが大きくクランク状にへこんでいる・これはもう最後の砦) |
縫い目がミの字になりやすい | ミシンの縫い目は、糸がスパイラルに撚ってあるため、むしろカタカナのミの字が正常です。いっそ全部ミの字になるように揃えましょう。それにはミシンのタイミングを比較的早めにし、糸道がまっすぐになるように針棒糸かけなども交換します。針なら… オルガン・LR針(針先がナナメ45度のナイフ状になっており生地を切って安定させる) グロッツ・SAN5-V2(穴形状と、穴の下が正逆効果ある形状) オルガン・DPx17S(縦ナイフ針。強制的に垂直方向に切れ目を入れて縫い目を矯正する) |
粘着物の上を縫う | 粘着性のものがなにかで使い分けしますが、以下の針を使ったとしても消耗品扱いになります。ゴム製のシートなどを縫う時にも効果があります。 オルガン・LPまたはHP(フッ素加工の表面で粘着物が付きにくい) シュメッツ・SERV7(サーブ7。えぐりが特に大きい目飛び対策針で力業でループを形成) |
二本針ミシンの左だけ切れる | 二本針ミシンだと左右の縫い目形状が違いますね。糸の撚りが同じ物を使用すればこうなってしまいます。2本針専用の針がありますのでこれが最適です。 グロッツ・SAN12(穴の形状、ループの形成をガイドする形状が違う) |
針がすぐダメになる | ガラス繊維素材、ガラス繊維の糸、ナスロン、鉛入り生地、ガラスの生地・・・これらは縫うだけ出張がどんどん摩滅消耗してしまいます。不調を感じたらすぐに交換して対応しましょう。 オルガン・PD針(チタンコーティングで硬く、約4倍の寿命があると言われています) グロッツ・SAN5-V2(穴形状と、穴の下が正逆効果ある形状、チタンコーティングです) |
基本はオルガン針がよく見られますが、グロッツやシュメッツといった針でトラブルが回避できる場合も多々あります。
ですが、同時に針板対策や位相の調整も必要です。
このくくりは広すぎて、お客様によって事情が変わってきます。 弊社でメンテナンスしている機械であればある程度のアレンジはしているはずですので、このまま下に記載の針に変えても大丈夫です。 ただし違う用途に使っていた機械を他の仕様にして以下の不調が出るようなら、いくつか先に機械をアレンジしたほうが早道の場合もあります。 一般的に用途をお聞きした上で、針の位相変更、糸道や糸調子バネの変更、針板と釜形状等の変更したら針の仕様を決める順番で合わせていきます。 |
テントシート・産業資材向け
|